産業医
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優秀な産業医を選ぶための5つのステップ/自社にあった最適な産業医の選び方

本記事では、優秀な産業医を選ぶためのポイントや考え方を5つのステップにまとめて紹介します。従業員の健康を守り、向上させていく健康経営には、産業医や産業保健師といった専門家の力が必要不可欠です。しかし、産業医と人事労務の間で、関係構築や意思疎通がうまくできず、不満を感じている方も多いようです。

産業医との関係構築をしっかり行い、健康経営の推進に役立てるためには、自社にあった優秀な産業医を選ぶところから考えなくてはいけません。今回のステップを理解して、優秀な産業医と出会い、よい関係を築いていきましょう。

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産業医に不満を覚える原因

産業医を選任後、思ったような活動をしてくれなかった…と後悔するケースも見られます。産業医科大学の産業医需要供給実態調査事業報告書でも、企業が求める産業医像と産業医の職務像にズレがあることが指摘されています。

産業医への不満が発生する理由は、こうした企業と産業医との間での認識のズレが原因の1つと考えられます。

産業医の役割・業務範囲への誤解

産業医という言葉を聞いたときに、最もイメージしやすい仕事が医師ではないでしょうか。実際に産業医業務に当たるのは産業医資格を有した医師なので、間違ってはいません。

しかし、産業医の業務は通常の医師が行う業務内容とは異なるもの。それでも医師という言葉のイメージに引っ張られ、病気やケガの治療や治療方法の相談など、主治医としての役割を求めてしまう担当者の方もまだまだ多いようです。

産業医への誤解を解くためには、まずは企業側が産業医という職業について正しく知ることが必要になってきます。

自社の課題感とのミスマッチ

ひと口に産業医といっても、医師のタイプによって得意とする領域が変わってきます。たとえば法令に関して正しい対応を指導することが得意な先生もいれば、健康経営推進のための制度設計を得意とする先生もいます。

評判がよい先生と契約を交わしたはずなのに、思っていたような活躍が見られないと感じる場合は、求めているタイプの違いによるものであることが考えられます。

こうしたミスマッチを無くすためには、産業医の長所を見極める目と、なによりも自社の抱えている健康課題を正確に把握することが大切になってきます。

産業医とのコミュニケーションレス

優秀な産業医といえども、契約したばかりの企業の実情についてすぐに把握することはできません。もちろん、中には自発的に会社理解を深めるための動きをしてくれる優秀な先生もいますが、基本的には企業側から自社の業務内容や、抱えている課題、どのような指導を求めているのか、など会社理解を深めるためのレクチャーをすることが望ましいです。

とはいえ、産業医が職場を訪れるタイミングは少なく、事前の準備をしっかりしておく必要があります。産業医とのコミュニケーションをよりよいものにして、連携を強化していきましょう。

では、こうした誤解を乗り越え、優秀な産業医と出会い、連携を深めていくためにはどのような手段を取ればよいのでしょうか?

産業医の選び方STEP1:産業医の業務を知る

優秀な産業医と出会うためには、まず、人事担当者が産業医について正しく理解することが必要です。また、自社の従業員や上層部に対しても、産業医の存在意義を周知していくことが大切です。

産業医とは

産業医とは、企業等の事業場において従業員の健康管理などについて、専門的な立場から指導・助言を行う医師のことです。

従業員の健康被害を予防し、心身の健康を保持増進することを目的としているため、医師であることに加え、産業保健への知識や労働衛生に関する知識に精通していることが求められます。そのため、産業医になるためには医師であることのほか、以下のような要件が定められています。

1. 労働者の健康管理等を行うのに必要な医学に関する知識についての研修であって厚生労働大臣の指定する者(法人に限る。)が行うものを修了した者

2. 産業医の養成等を行うことを目的とする医学の正規の課程を設置している産業医科大学その他の大学であって厚生労働大臣が指定するものにおいて当該課程を修めて卒業した者であって、その大学が行う実習を履修したもの

3. 労働衛生コンサルタント試験に合格した者で、その試験の区分が保健衛生であるもの

4. 学校教育法による大学において労働衛生に関する科目を担当する教授、准教授又は講師(常勤勤務する者に限る。)の職にあり、又はあった者前各号に掲げる者のほか、厚生労働大臣が定める者

引用:労働安全衛生規則第14条第2項

産業医の職務内容

産業医とは事業場の従業員の健康被害を予防し、心身の健康の保持増進を図るために専門的な立場から助言・指導する医師のことであり、通常の診察を行う医師とは異なることがわかりました。

では、産業医はその目的のために、どのような職務をこなしているのでしょうか。その内容について以下にまとめます。産業医の職務を知ることで、人事労務担当者も適切に健康管理面で相談がしやすくなりますので、ぜひご参照ください。

1. 健康診断の実施とその結果に基づく措置

2. 長時間労働者に対する面接指導・その結果に基づく措置

3. ストレスチェックと高ストレス者への面接指導その結果に基づく措置

4. 作業環境の維持管理

5. 作業管理

6. 上記以外の労働者の健康管理

7. 健康教育、健康相談、労働者の健康の保持増進のための措置

8. 衛生教育

9. 労働者の健康障害の調査、再発防止のための措置

  • 安生規則第14条第1項より引用と関連条文を編集

このように、産業医は健康診断の結果から就業判定を行ったり、高ストレス者と面談をするだけでなく、労働環境や衛生教育など、事業場全体の安全管理について意見することができる立場にあるのです。

上記の職務をわかりやすくまとめたものが、以下の「産業保健の5管理」と呼ばれる分類です。

産業医業務は5管理で分類できる

こちらの図をもとに、改めて自社の産業医の職務内容を整理してみてはいかがでしょうか?

産業医の選び方STEP2:産業医のタイプを知る

従業員属性に様々な種類があるように、産業医の中にも様々なタイプが存在しています。産業医によって、得意な部分や苦手な部分があることを理解しましょう。産業医のタイプを知り、把握することで、自社とのミスマッチを減らすことができます。

企業規模別にみる、産業医5つのタイプ

上の図は、当社が考える産業医の5つのタイプです。この図に基づき、それぞれのタイプについてご紹介していきます。

産業医タイプ1:新規立ち上げ系

産業保健体制の構築を得意とするタイプの産業医です。衛生委員会の立ち上げや、不調者対応などを行ってもらうことができます。

しかし、産業医が一から体制構築を手掛けることは少なく、産業医紹介サービスなどで代替も可能なことから、あまり数が多いタイプとはいえません。

産業医タイプ2:法令遵守系

労働安全衛生法に詳しく、法令に対する正しい対応を指導することが得意な産業医です。

不調者や休職者への対応に主体的に動いてもらえますし、健康診断の実施状況や新しく実施するストレスチェックの進め方についてもアドバイスが得られやすいでしょう。

産業医タイプ3:法令企画系

タイプ2と同じく、労働安全衛生法に詳しく、法令に対する正しい対応を指導することが得意なタイプです。休職者発生時のルール作りや健康診断の事後措置フロー、最近義務化されたパワハラ防止法への対応など、新しい法制度にも詳しく、人事に対してアドバイスすることが可能です。

産業医タイプ4:制度設計系

基本的な産業医衛生の業務に加え、健康管理体制を整えるための制度設計まで行うことができる産業医です。新卒や管理職向けの研修を実施してもらったり、さらなる事業拡大に向けて社内規定の整備に尽力してもらえます。

非常に優秀なタイプで、報酬も相場よりも高額に設定されている場合が多いです。

産業医タイプ5:コンサル系

産業医を統括したり、健康経営を見据え、企業特性にあった施策を企画し実施するマネジメント力を持った産業医です。特に大規模企業など、複数拠点を含めて産業保健のチームが組まれているような状態で力を発揮します。

産業医の選び方STEP3:自社の課題やフェーズを把握する

産業医のタイプを知ったあとは、自社の課題や、健康経営や産業保健体制がどのようなフェーズにあるのかを理解する必要があります。抱えている課題やフェーズを理解することで、最適な産業医タイプを選ぶことが可能になります。

以下では、代表的なフェーズや課題感とともに、最適な産業医タイプについてご紹介します。

小規模事業者 新規選任フェーズ

まずは常時雇用する従業員が50人を超え、はじめて産業医を選任しなければならないケースです。この時点では産業医についての情報も把握しておらず、健康管理体制についても右も左もわからない状態と言えるでしょう。

従業員数が50名を超えると、様々な義務が発生してきます。そのため、まずは適切に法令対応を行うことが重要になってきます。

・必要になる産業医タイプ
タイプ2:法令遵守系/タイプ3:法令企画系

新規選任フェーズは、様々な義務への対応が発生してくるため、まずは法令に詳しく、正しい対応を指導できるタイプの産業医が最適です。
衛生委員会やストレスチェック、健康診断のチェックなど、基本的な法令対応を産業医とともに進めましょう。

法令遵守系・法令企画系の選び方についてですが、すでにメンタルヘルスによる不調者や休職者が発生しているかどうかで判断します。
すでに出ている場合は法令遵守系、まだ出ていない場合は、出ないための体制づくりを行える法令企画系を選びましょう。

中規模事業者 成長途上フェーズ

従業員が300名を超えてくるなど、成長途上の中規模事業者の場合です。この場合、支社や拠点が増えてきており、初選任時の産業医とは別に、新たに産業医を選任する必要性が出てきます。

支社や拠点の人数が50名未満の場合、現行の労働安全衛生法では会社全体の従業員数は多くても事業所ごとでは人数が少ない企業においては健康管理の義務がほとんど発生しません。

しかし、人数が増えることによって、小規模事業者の場合とは異なる健康課題を抱えることも多く、立ち上げ期とは別タイプの産業医を選ぶ必要があるでしょう。

・必要になる産業医タイプ
タイプ2:法令遵守系/タイプ4:制度設計系

このシーンの場合、大きくなる会社規模に対応した健康管理体制を整えられる産業医の力が必要になってきます。法令では手が届かない拠点や支社の健康管理にも対応できるように、法令遵守系や制度設計系の産業医が最適です。

選び方としては、ハイリスクアプローチかポピュレーションアプローチかという2つの考えから選ぶとよいでしょう。

たとえば、休職者が多く発生していたり(全従業員に対して1%以上)、平均年齢が高くなってきて生活習慣病のリスクが懸念されるような状況ならば、ハイリスクアプローチを重視して不調者対応に強い法令遵守タイプの産業医を増員してみるといいでしょう。

一方で、たとえば従業員の平均年齢が若く、過度な残業なども発生しにくい企業であれば、ポピュレーションアプローチの考え方から制度設計タイプの産業医を探してみるといいでしょう。

新卒や管理職向けの研修を実施してもらったり、さらなる事業拡大に向けて社内規定の整備に尽力してもらえます。

大規模事業者 ブランド向上フェーズ

従業員1,000名を超える大企業の場合です。企業規模が大きくなれば課せられる社会的責任も大きくなってきます。社会的な評価や採用ブランディングを考え、健康経営に取り組むことを考える企業も多いでしょう。

1,000名を超える従業員を抱える企業の場合、一般的な事務作業だけでも煩雑になるため、産業保健師・産業看護師を加えたチームが組まれているはず。また、健康経営まで行うのであれば、通常の産業医業務を行うだけでなく、高度な対応が可能な産業医を選ぶべきです。

・必要になる産業医タイプ
タイプ5:コンサル系

大規模な健康管理体制、全社を巻き込んだ健康経営を実践していくためには、直接的に従業員の健康に関与するのではなく、人事戦略レベルで健康管理を推進することが求められます。さらに、健康経営を実践するためには、健康データの分析や、分析結果に基づく施策の企画・実行も必要になってきます。

コンサル系の産業医の場合、様々な企業の取り組みを経験しているため、こうしたマネジメントにも力を貸してくれるでしょう。

産業医の選び方STEP4:面接で見極める

産業医のタイプと、自社の課題やフェーズを理解したあとは、実際に自社にあった適切な産業医を選ぶ段階になります。自分で選んだにせよ、産業医紹介サービスを活用したにせよ、どのような経緯で産業医と出会うかは違っても、最終的には自社にマッチした産業医を選ぶのは面接の場になります。

ここでは、自社にマッチした産業医を選ぶための面接でのポイントについてご紹介します。

制度設計・コンサル力を見極める面接の評価軸と質問事項

制度設計系・コンサル系の産業医を見抜くための評価軸と質問事項についてご紹介します。

この2つのタイプは産業保健の業務にとどまらず、各企業の事業特性や人事戦略を考慮した上で、新しいルールづくりや自ら企画を立てて社内推進するタイプです。
このタイプを見極めるためには、担当した企業とそこでの実績を面接の場で尋ねるとよいでしょう。

▼ 経験と実績を見極めるための質問リスト

  • これまで担当した企業の規模や業界を教えて下さい。
  • 健康管理についてどのような体制(チーム)で動いていましたか。
  • 人事担当とはどのような課題を共有して、解決しましたか。
  • 弊社のような企業で、健康管理上リスクになるポイントはありますか。

評価軸としては、あなたの会社の事業内容について事前に調べているか?法律的な対応にプラスアルファの企画力が備わっているか?を判断していきます。

法令遵守・企画力の見極める、面接の評価軸と質問事項

法令遵守系・法令企画系の産業医を見抜くための評価軸と質問事項についてご紹介します。このタイプはどちらも不調者対応や休職対応など、産業保健領域の実務で力を発揮するタイプです。

このタイプは実務能力を見極めることが重要になってくるため、面接で見極めることが難しいタイプといえます。産業医のスキルを見抜くための質問事項についてご紹介していきます。

▼ 法令遵守の経験を見極めるための質問リスト

  • 弊社のWebサイトは見ていただけましたか?事業について印象をお聞かせください。
  • 月1回 1時間の場合、どのような時間割で業務を進めていましたか。
  • 衛生委員会には毎回参加してもらえますか?
  • 衛生委員会は毎月実施する必要がありますか?
  • 産業医面談はどのような人が対象になりますか?
  • 産業医面談は1回あたり何分ぐらいかかりますか?
  • もし産業医面談を拒否されたらどうしたらいいですか?
  • メンタル不調者の対応はしてもらえますか?
  • ストレスチェックの実施者になってもらえますか?
  • 健康診断の結果はどういった観点でチェックしますか?
  • 長時間労働者に対して産業医としてどのように関わるのですか?
  • テレワークなのでオンラインでの面談に対応していただけますか?
  • 産業医面談の内容は人事にも共有してもらえますか?

以上のような質問を通して、間違った回答が返ってこないかどうかをチェックすることはもちろん、明瞭な伝え方で答えてくれるかもチェックしてください。
評価軸としては、経験社数よりもスキルや自社との相性を重視しましょう。

仮に経験社数が多い産業医であっても、あなたの会社の業務内容に興味をもっていなかったり、面接を通じて従業員の年齢層や働き方についてのヒアリングがないようならば、自社にマッチしない可能性が高いので避けるべきです。

また、名刺の渡し方や服装などビジネスマナーのチェックも必要です。産業医の中で専門として従事している人は少数派で、多数は自分でクリニックをしていたり病院に勤めながらのかけもちです。ビジネスマナーに疎い産業医では、契約後のメールのレスポンスが遅かったり、業務面での不要なトラブルが起きてしまうリスクも高まります。

産業医の選び方STEP5:産業医に自社を理解してもらう

自社の状況を把握し、面接で自社にマッチした産業医を見極めて選任したとしても、そこで気を抜いてしまってはいけません。

自社とどれだけマッチしていたとしても、人事担当者と連携を取れなければ、企業への理解を深めていくことはできません。

ここでは、企業理解を深めるための、最初の業務の進め方についてご紹介していきます。

自社の事業内容・働き方を理解してもらう

産業医を選任した後は、必ず自社の事業についてレクチャーを行いましょう。
あなたの会社がどのような事業をしていて、従業員はどのような環境で、どのような業務を行っているのか、産業医にしっかりと説明しましょう。

産業医は『事業主と労働者双方の立場を理解したうえで、事業主と労働者の両方にとって最善となる意見を述べたい』と考えています。

産業医は労働者の代弁者となる場合が多くありますが、労働者側に寄り添いつつも一定の距離を保ち、常に客観的に物事をみています。また衛生委員会等での発言も、会社のことがわかっていなければ的確な意見を述べることはできません。
会社情報を伝える際には以下のチェックリストをご参照ください。

産業医選任のチェックリスト

産業医面談を設定する

産業医を選任したら、なるべく早いタイミングで産業医面談をセッティングするようにしましょう。産業医の職務の中でも、特に人事労務との連携が重要になり、加えて発生する頻度も高いのが産業医面談です。

早期に産業医面談を実施することで、人事労務と産業医との連携の確認、従業員に対する今後の産業保健体制やルールの周知につながります。
以下は、産業医面談をスムーズに実施するための3ステップです。ぜひご参照ください。

ステップ1:産業医面談の目的を事前周知する

事前周知にあたって必ず伝えてほしいことが3つあります。

  • 法律で決まっている手続きであること
  • 人事考課には一切関係なく、働ための健康状態かを診るためであること
  • 産業医が誰であるか写真付きで紹介する

特に3番は効果的です。産業医面談のときだけでなく、職場巡視でオフィス内を見て回る際にも産業医自身がコミュニケーションをとりやすくなるので、ぜひ実施していただきたい事前周知です。

ステップ2:勤怠不良・長時間労働者の面談日程の設定

健康診断やストレスチェックの後にも産業医面談が実施されますが、これらは検査の時期が決まっているため選任直後ですぐに面談が必要な従業員がいないかもしれません。

勤怠不良者や長時間労働者は毎月一定の割合で発生するため、そうしたリスクが高いと思われる従業員から個別に説明をして産業医面談の日程を決めましょう。

日程を決めるポイントとしては、「産業医面談を希望するか?」と質問するのではなく「産業医面談のルールが決まったから◯月◯日に予定を入れた」と会社としての決定事項であることを伝えます。

産業医面談は本人の申し出のもと行われるものですが、もし従業員が申し出をしなかったからといって放置してしまうと、安全配慮義務の観点で問題が出てきます。事前にルールを定め、ある程度の強制力を持たせることも必要になってきます。

ステップ3:人事・総務との情報共有

産業医面談が終了したら、必要な情報の連携を行います。
産業医面談は面談を行って終わりではなく、産業医の所見を受け取り、職場や働き方に問題がある場合は、企業側で改善に努めなくてはなりません。

また、産業医面談で知り得た情報の中には、プライバシーに関わる情報も含まれるため、企業側に開示できない情報もあります。

意見聴取から問題改善への動きや、情報共有の行い方など、最初の産業医面談からすり合わせを行っておくとよいでしょう。

産業医紹介サービスを見極める3つのポイント

産業医を探す方法としては、医師会や健診機関に相談したり、知人からの紹介などがありますが、産業医紹介サービスを利用している企業も多いのではないでしょうか?

産業医紹介サービスは、登録している産業医の中から自社に合った産業医を紹介してくれるサービスです。様々な産業医が登録しているため、自社の希望に沿う産業医を見つけやすくなることが最大のメリットと言えるでしょう。

しかし、同様のサービスを行う企業が多いため、どこを選んでよいのか決めかねる場合もあります。

そこで、産業医紹介サービスを見極める3つのポイントをご紹介します。産業医を初めて選任する時、あるいは新しい産業医を探すときには、以下のチェックポイントを参考に産業医紹介サービスを選んでください。

ポイント1:産業医業務と法定義務を正しく理解しているか

冒頭でお伝えしたように、産業医の業務に対する理解が不足していることで、様々な誤解につながります。そのため、自社に合った産業医を紹介してもらうためには、産業医業務と法定義務を正しく理解しているサービスを選ばなければなりません。

特に初めて産業医を選任する、従業員数が50人を超えた企業の場合には産業医以外にも新たな健康管理の義務がいくつもあります。以下に義務の一覧をあげておきますが、すべての義務について産業医が関わってきます。

  • 産業医の選任
  • 衛生管理者の選任
  • 衛生委員会の設置と毎月の実施
  • 衛生委員会の議事録の保管と周知
  • 職場巡視の実施
  • ストレスチェックの実施
  • ストレスチェックによる高ストレス者対応
  • 健康診断の労基署報告書の提出

産業医を紹介するだけでなく、選任時に同時進行しなければいけない義務(衛生委員会の立ち上げやストレスチェックの実施)についてもアドバイスがあるかどうかは、産業医紹介サービスを見極めるひとつのチェックポイントになります。

ポイント2:事業内容や働き方をヒアリングしているか

登録している様々な産業医の中から、クライアント企業に適した産業医を紹介するためには、産業医の経歴やタイプの把握はもちろん、クライアント企業への理解も必要不可欠です。事前にヒアリングを重ねて、事業内容や働き方について理解を深める姿勢があるかどうかをチェックしましょう。

また、企業側の要望を聞くだけでなく、産業医を選任することでどのような健康管理体制を築けるのか提案をしてくれることも、サービスを選ぶチェックポイントになります。

ポイント3:選任後のサポートも含まれているか

たとえスキル的に優秀な産業医が選べたとしても、企業側の受け入れ体制が不十分であれば、適切な健康管理体制を築けないまま高い報酬を払うことになります。

毎月の運用が軌道にのるまでに企業側として産業医に依頼する業務もサポートしてくれるのかをチェックしておきましょう。具体的には以下の4つの業務が、選任後数ヶ月以内に進めておきたい業務です。

  • 産業医の選任届を作成・提出する
  • 産業医に、事業内容や従業員の働き方をレクチャーする
  • 年間のスケジュールをたてる
  • はじめての産業医面談をセッティングする

まとめ

ここまで、自社にあった最適な産業医を選ぶためのステップについてご紹介してきました。

最適な産業医を選ぶためには、産業医という職業への理解と、自社の健康課題や状況を理解することが必要であり、産業医としっかり連携することで自社の健康管理体制の充実や、健康経営施策の推進につながることがわかりました。
ぜひ、この記事を参考に最適な産業医を見つけてください。

とはいえ、産業医のすべてを見極めることはなかなか難しいものです。

Carely(ケアリィ)の産業医紹介サービスでは、ただ産業医の紹介だけではなく、この記事で説明したようなポイントを担当者の方にヒアリングした上で、最適な産業医を選定してご紹介いたします。

はじめての選任でどのような産業医が必要かわからない、健康経営を推進するために優秀な産業医を探したい、などの産業医選びに関するお悩みを抱えたお客様はぜひ一度ご相談ください。

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この記事を書いた人
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